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大阪梅田 お化け屋敷 2015
 
呪い指輪の家
 
2015/08/28




呪い指輪の家

スタッフがお化けに扮して来場者を驚かすホラーイベント

 
というのは

今の時代ではごくごく普通のお化け屋敷システムですが

ひと昔前のお化け屋敷は人が演じるということは稀少で

ホラーな人形や造形物をルートに設置して

いかに不気味にみせるか、いかに怪しく動作させるか、

ということを主軸にしていました。
 
ですから「お化け屋敷」という言葉に

どこか「こどもっぽい」

「こども騙し」的なニュアンスがありました。
 
ですが現在は・・・
 
 
夏になると大阪梅田にお化け屋敷がやってくる!

これはもう大阪の夏の風物詩

と言ってもいいんじゃない?

と言うくらいシリーズ化されています。

(全国で展開されてるようですが)
 
共通テーマとしては
 
〇特設会場として梅田にお化け屋敷が建築される。
〇スタッフさんがお化けに扮して怖がらせてくれる。
〇ストーリー仕立ての怪談の設定。
〇指定されたミッション形式での会場内進行
 
こんな感じでしょうか。
 
以前は1年ごとに梅田エリア内を

会場が微妙に移動していましたが

ここ数年は梅田ロフト横 ちゃやまちプラザに

落ち着いた感じですかね。
 
きちんとHPが用意されて、

設定された怪談に沿うショートホラームービーが

制作されます。

来場者はその怪談の後日談を引き継ぐ形で

指定された任務を完遂すべく、

特設会場突破に挑みます。
 
 
今年のタイトルは「呪い指輪の家」でした。
 
ストーリーを超短くまとめると
 
婚約していた元彼が行方不明になった妙子さん。

悲しみの中の妙子さんを支えた元彼の同僚。

数年後二人は結婚。

様々な違和感を感じる生活の中、

妙子は庭に埋められていた元彼を発見する。

犯人である旦那に監禁される妙子。

自分の薬指から結婚指輪を外そうとするも抜けない。

復讐を誓いながら妙子さん他界。
 
 
ここまで簡略したあらすじだと

怖さのカケラもありませんが

実際のストーリーは濃厚で、

とても後味の悪い不気味な怪談になっています。
 
ミッションは

その呪いの家に今も成仏できずにいる妙子さんを見つけ

本来彼女がはめるはずであった指輪を

彼女の薬指に・・・
 
という任務です。こえー!

 

呪い指輪の家呪い指輪の家

特設会場は、ちゃやまちプラザ(MBS本社1F)屋内の

ピロティ的なフロアに建てられています。

古くて大きい一軒家の外観です。
 
入口付近に入場券の券売機がありました。

お一人様千円です。

入口からぐるりと屋敷を囲む形で

来場者の列ができます。
 
屋敷内で先行者に追いつかないよう

十分間隔を開けての入場規制してくれていますので

待ち列の進み具合はとても遅いです。
 
私が訪れたのは期間も終盤の平日昼間で

入場待ち人数も少数でしたが30分ほどは待ちました。
 
ですが

屋敷内からは終始誰かの叫び声が

漏れ聞こえていましたので

待っている間からドキドキして、

さほど長時間待たされた感じは無かったです。
 
入口付近まで進むと受付があり

お決まりの注意事項の説明とともに

「ニックネーム」の登録があります。
 
毎年色々な趣向を加え楽しませてくれるのですが

今回も新趣向で満足のいくオプションでした。
 
ミッションで妙子さんの指に差し込む指輪が入った

指輪ケースがグループ全員、一人づつに手渡されます。
 
渡されるケースには、

各グループ内のどれかひとつだけに

指輪が入っています。
 
妙子さんの前で全員ケースを開け、

指輪の入っていた人が当たり!

どうぞ妙子さんに指輪を!

ということらしいです。
 
そしてそのケースには

リストバンド的なベルトが着いていて

左手にはめて

こことここを指で押さえるようにして持つように、と。
 
のちほど自分がどれほど恐怖したか、

ビビり度を測定してもらえるとか。
 
また、ルート途中で動画も撮ってくれていて

サイトにアップされた自分たちの怖がる姿を見ることも。
 
受付①でそれらの説明を受け、ニックネームを登録し

バーコードスキャン入りのレシートを受け取ります。
 
次に進んだ受付②で入場券を渡し、

指輪ケースを受け取れば、さあ入場です。ドキドキ。
 
 
 
今回、私は自身を含む4人チームでこのイベントを訪れ

2人づつの2班に分けて参加しました。
 
先行A班と後続B班。

私はB班のバックス担当。

そこは譲れない。我儘を通します。

他は厳正なる抽選でメンバー分けと

前衛、後衛のポジションを決定しました。
 
出発した先行A班。

私たちの突入までの間隔は

5分近くあったのではないでしょうか。
 
入場から退場まで毎回10分ほどですので

屋敷内には2グループが滞在する形をキープしている、

そんな印象でした。ドキドキ。
 
玄関の扉が開かれ最初の間。

真っ暗な最初の部屋で妙子さんの写真を見ながら

ストーリー音声を聞き終えたらさあ屋敷内の探索です。
 
ひとつ目の部屋に足を踏み入れると

私は毎回必ず次の言葉を宣言します。
 
「僕たちは本当にビビりなので

 全然本気を出さなくて結構です。」
 
「ちょっとだけでもの凄く怖がるので

 お手柔らかにお願いします。」
 
屋敷内は常時スタッフさんが

入場者をチェックしてくれているので

きっとこちらの宣言を考慮して優しく迎えてくれるはず!

イージーモードで接待してくれる、

はず、だと信じています。
 

以前メンバーがひとり

施設内で足がもつれ転倒しました(笑
 
その時、屋敷内のマイクで
 
「お客さま大丈夫でしょうか。」 とフォローが(笑
 
「あ、すみません大丈夫です。」
 
「右側が次の部屋になっています。」
 
なんて場面を経験しました。
 
ああ、そうなんだ、

お化け屋敷と言えども意志の疎通ができるんだ。

サメやライオンのように無慈悲ではない。

こちらのヘッピリ度を考慮してくれるんだ。
 
それからは毎回、第一歩目から必ず行う敗北宣言。

「こちらに戦闘の意思なし!」

無条件降伏ですよ。
 
 

人はなぜ、お金を払って長蛇の列に並んでまで

怖い思いをしたがるのでしょうか。

しかも入場早々許しを請うくせに。ですよ。
 
人間とは全く訳の分からない生き物だ。

なんて考える余裕もなく
 
わー!こえぇー!やめとぇー!
 
と叫びながら屋敷内を進みます。

フォワードの相方に置いて行かれないように必死です。
 
ゆっくり!もっとゆっくり!待っちぇって!
 
途中通路が少し斜めになった傾き仕様の箇所があって

足下の不安定さを突く良い仕掛けでした。

人形どころかただの床に驚いてしまう

そんなレベルです。

 

そうして

半泣きになりながらも

なんとか辿り着いた最後の部屋の妙子さん。

さあ指輪ケースを開けましょう。
 
パカッ・・・
 
・・・・
 
ある。
 
・・・・
 
あるわぁ・・・こっちのケースに指輪が入ってる。
 
・・・・
 
ハイ、ドーゾ
 
相方に指輪を差し出すもマサカの拒否。
 
エーッ!
 
そ、それは約束がチガウ・・・
 
人生には3つの坂がある。
上り坂と下り坂、そしてマサカ。
 
誰の言葉だっけか。
小学校の校長?いや違う・・・
 
薄らいでいく意識の中で
私はそんなことを考えていた。
 
 
裏切りの言葉にー
 
故郷を離れわずかな望みをー 求めさすらう俺なのさー
 
見知らぬ街ではー
 
期待と不安がひとつになってー 

過ぎ行く日々などわからないー

 
交わす言葉も寒いこの都会(まち)
 
これも運命(さだめ)と生きてゆくのかー
 
今日と違うはずの明日へー
 
ラナウェイー ラナウェイー 今 駆ーけー行くー
 
 
そう。最後はまさにランアウェイ。

屋敷を脱出して数メートル先に最後の受付があった。
 
机の上のモニターには
先ほどビビりながらさまよっていた私たちB班の動画が。
 
「この動画で間違いございませんか?」
 
問いかけるスタッフのお姉さんに相方がうなずいている。
 
左手に着けた指輪ケースを返却しようとすると

私のケースのフタが開きっぱなしになっている。

見ると相方はしっかり閉めていた。
 
悟られぬよう私はそっとフタを閉じ

ケース返却の動作の中に紛れ込ませるようにして

目尻を拭った。

 

呪い指輪の家呪い指輪の家

 

お化け屋敷を出てわずか数分後の帰り道で

レシートのバーコードをスマホに読み取らせると

自分用のサイトページに飛び、

閲覧することができました。
 
ビビりまくりながらドアをくぐる相方と自分の動画。

そして自分のビビり度数の判定結果。
 
仲間内で誰が一番怖がりだったかで

盛り上がること受け合いです。

いやぁ今年も怖かった。
 

 
例年通り、あと数日のちには

あのお化け屋敷も片付けらてしまうでしょう。

街角から蝉の声が消え、陽の陰りの早さを実感する。
 
夏が終わってゆくのです。
 

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